2007年 09月 27日
アニエス b. meets アンナ・カリーナ ~女は女である~
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もう、大好き!大好き!大好き!!
監督ジャン・リュック・ゴダール、主演アンナ・カリーナの"Une femme est une femme"(邦題『女は女である』)は、私の大好きな映画BEST5に入る一本。
初めて観たのは、留学先の大学のライブラリー。白黒だったし、字幕もなかったけれど、何の予備知識もなしに観たときの衝撃と言ったら…!
モノクロでも伝わるアンナ・カリーナのミラクルな可愛さや、パリジャン&パリジェンヌのお部屋ってこうなのかな…と想像させる、シンプルだけど素敵なインテリア。
私のアンナ・カリーナ好きは、思えば、この映画がきっかけだったのかもしれません。
2度目に観たのは、帰国後にビデオで。そのときに初めて、この映画はゴダール初のカラー作品だということを知りました。
そして、その色彩の鮮やかなこと!どちらかというと薄汚れた雰囲気のパリの街に、アンナ・カリーナの色鮮やかなファッションがぴりっと効いています。
赤いタイツに赤い傘。赤いカーディガンにチェックのスカート。鮮やかなブルーに、白いファーのついたワンピース。
今見ても、なんて可愛い!と思える、ファッションの数々。
そうして、3度目は昨日、渋谷で。
自身映画通であるアニエスベーが2007・2008秋冬コレクションのテーマに選んだのは、ゴダール映画のミューズ、アンナ・カリーナ。
彼女が劇中で着ている衣装を再現していて(トップの画像は『気狂いピエロ』のワンピース)、それに絡んでゴダール=アンナ・カリーナ作品を3作、渋谷のシネマ・アンジェリカでリバイバル上映しているのです。
「Je veux un enfant (こどもがほしい)」と突然言い出したアンジェラ(アンナ・カリーナ)と、結婚するまでこどもなんか欲しくないと突っぱねる、パートナーのエミール(ジャン・クロード・ブリアリ)。そしてこの二人のけんかに巻き込まれるのは、アンジェラに惚れているアルフレッド(ジャン・ポール・ベルモンド)。話は、この3人で繰り広げられます。
オープニングに出てくるトリコロールカラーの文字からして、もう、センスがいい。フランス語でがやがや言う声がバックから聞こえてくると、もうそれだけで嬉しくなってきてしまいます。
アンジェラは酒場で踊るダンサー。水兵服姿で「Parce que je suis très belle (私はとてもキレイだから)」と歌い、踊るアンジェラの姿は、まさに小悪魔的な魅力に満ち溢れています。
くっきりと青いアイシャドウに、太めに入れたアイライン。ばさっと音がしそうなほどのまつ毛。
ころころと変わる表情は、時に少女っぽく、時に大人の女らしくて、本当に見とれてしまいます。
私が大好きなのは、アンジェラとエミールが無言でけんかするシーン。
アンジェラの白いネグリジェや2つ結びのヘアスタイルが、まず可愛い。
「もう口をきかない」と言い合った二人は、本のタイトルを指差しながらけんかするのだけれど、それが結構過激(「怪物!」とか、「出て行け!」とか)。でも、そういうシーンを見ていると、この2人って結局仲がいいんだな、とほのぼの思えるのです。
時折、スクリーンのこちら側にいる観客を意識した目線を送るアンナ・カリーナ。
最後のウィンクには、やられてしまいます。
とにかく、アンナ・カリーナの魅力全開のこの映画。本当にオススメです。
(残念ながらシネマ・アンジェリカでの上映は終わっていて、10/1までは『はなればなれに』、10/5までは『アルファヴィル』を上映しています。)
by corno_petit
| 2007-09-27 22:12
| cinéma 映画